1月16日、海南航空グループ傘下の西部航空が初のA319neoを受領しました。この機体は、空客(エアバス)の単通路機として初めて「分布式パルス酸素供給システム(DPOS)」を搭載したモデルでもあります。
西部航空の運航ネットワーク
西部航空は重慶・鄭州・合肥を拠点とし、約60都市への170以上の路線を運航しています。現在、同社はA319、A320、A320neo、A321、A321neoを含む44機のA320シリーズで構成された全エアバス機材の単通路機隊を運営しています。
今回受領したA319neoは、重慶~ラサなどの高高度空港を結ぶ路線に投入される予定です。
DPOSシステムの導入によるメリット
DPOS(分布式パルス酸素供給システム)は、座席上部の旅客サービスパネルやトイレなどに設置されており、乗客の呼吸時に発生するマスク内の負圧に応じて酸素供給量をリアルタイムで調整します。
従来の集中式ガス酸素供給システム(CGOS)では、貨物室に大型の酸素タンクを複数設置する必要がありましたが、DPOSはこのような配管やボンベラックが不要となり、貨物スペースを節約できるほか、システムの簡素化とメンテナンスコストの削減にも寄与します。
この新システムの導入により、高高度の空港を発着する際の飛行環境の変化にも対応しやすくなり、より安全で快適な空の旅を提供できるようになりました。今後、DPOSはA320neoシリーズの高高度運航にも対応予定です。
A319neoの特徴
西部航空が受領したA319neoはCFMインターナショナル社のLEAP-1Aエンジンを搭載。キャビンは2クラス制で、
- 智選経済クラス(プレミアムエコノミー):18席
- エコノミークラス:126席
という構成になっています。
A319neoはA320neoシリーズの一員であり、最新のエンジン技術とシャークレット(翼端小翼)の採用により、従来の単通路機に比べて騒音を50%削減、燃料消費とCO2排出量を20%以上削減できます。
また、空客のA320シリーズは、最大50%の混合比で持続可能な航空燃料(SAF)を使用可能で、2030年までに全機種で100% SAF運航を目指しています。
A320neoシリーズの世界的な普及
現在、140社以上の航空会社がA320neoシリーズを1万1000機以上発注しており、世界的なベストセラー機としての地位を確立しています。
西部航空のA319neo導入により、中国国内の航空業界もより環境に優しく、安全性の高い空の旅を実現していくことが期待されます!
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