航空業界の情報筋によると、中国民用航空(香港・マカオ・台湾を除く、以下同様)は今週、新規航空機の受領ラッシュを迎えており、2025年2月21日から2月27日までの1週間で合計5機の新造機が納入されました。
今週納入される航空機
航空会社 | 機体登録番号 | 機種 | 納入日 |
---|---|---|---|
中国東方航空 | B-32KT | エアバスA321neo | 2月21日 |
厦門航空 | B-20DV | ボーイング737 MAX 8 | 2月23日 |
厦門航空 | B-226E | ボーイング737 MAX 8 | 2月24日 |
吉祥航空 | B-226M | ボーイング787-9 | 2月25日 |
中国東方航空 | B-32LH | エアバスA321neo | 2月25日 |
さらに、中国東方航空のボーイング787-9(B-226Q)の納入も間近との情報が入っています。
航空機の補充と市場動向
中国は、米国に次ぐ世界第2位の民間航空市場であり、4,200機以上の民間航空機を保有しています。古い機体の退役に伴い、新しい航空機の導入は当然の流れとなっています。2018年には年間426機が納入され、1週間あたり8.4機のペースで新規導入が行われました。そのため、現在のペースでも特に珍しい現象ではありません。
しかし、今回受領されるボーイング機は、いずれも過去の発注による「残存オーダー」に基づくものです。例えば、厦門航空のB-20DVは2018年以前に発注されたものの、長期間ボーイングの納入待ちリストに留まり、現在では機齢5.3年に達しています。中国は新型コロナウイルスの影響以降、新規のボーイング機の発注を行っておらず、今回の残存オーダーが完了すると、新たなボーイング機の受領は途絶える可能性があります。
一方、今回納入されるエアバス機は、2022年に中国の大手3社が合同で発注した292機の一部です。総額約2,500億元(約5兆円)のこの契約は、2029年までに順次納入される予定です。航空機の生産には長いリードタイムがかかるため、各国の航空会社が新規発注機の受領を競い合っています。現在、中国では年間約150機が退役しており、機材の更新と規模維持のため、新規機材の導入計画を早急に進める必要があります。
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