航空データ提供会社OAGが、2025年2月の中国国内線における航空座席数をもとに、最も繁忙な航空路線トップ10を発表しました。春節(旧正月)の影響で、例年とは異なる動きを見せた路線も多く、興味深いランキングとなっています。
2025年2月・中国国内の最も忙しい航空路線トップ10
- 北京首都(PEK)=上海虹橋(SHA):54.27万席
- 上海虹橋(SHA)=深圳宝安(SZX):48.24万席
- 上海虹橋(SHA)=広州白雲(CAN):44.70万席
- 北京首都(PEK)=深圳宝安(SZX):41.01万席
- 北京首都(PEK)=広州白雲(CAN):32.66万席
- 北京首都(PEK)=成都双流(CTU):32.39万席
- 広州白雲(CAN)=杭州蕭山(HGH):30.54万席
- 杭州蕭山(HGH)=深圳宝安(SZX):29.60万席
- 成都天府(TFU)=深圳宝安(SZX):28.04万席
- 重慶江北(CKG)=深圳宝安(SZX):28.28万席
2月は旧正月(春節)の影響で、帰省やUターンラッシュが発生し、多くの路線で座席需要が大きく変動しました。1月とは異なるランキングとなっている点が特徴的です。
順位が上昇した路線
1月と比較すると、4路線が順位を上げました。
- 上海虹橋=深圳宝安(3位→2位)
- 春節後、深圳が経済特区・イノベーション拠点として多くの人を引きつけるため、上海で過ごしたビジネスパーソンや労働者のUターンが集中したと考えられます。
- 北京首都=広州白雲(6位→5位)
- 京津冀(北京・天津・河北)と粤港澳大湾区(広東・香港・マカオ)との間には経済・ビジネス・観光の強い結びつきがあります。春節の帰省・Uターン需要が重なり、利用者が増加したとみられます。
- 北京首都=成都双流(7位→6位)
- 成都市は西南中国の中心都市であり、経済・文化・テクノロジー分野で北京との交流が盛んです。春節の影響で一時的に移動が増加した可能性があります。
- 成都天府=深圳宝安(圏外→9位)
- 成渝経済圏(成都・重慶)と珠江デルタ(深圳・広州)間の経済・人材交流が活発化しているため、春節後の帰省ラッシュと相まって利用者が急増しました。
順位が下降した路線
3路線が順位を落としました。
- 上海虹橋=広州白雲(2位→3位)
- 旅客が他の交通手段を選んだり、航空会社の運航計画が調整された可能性があります。
- 広州白雲=杭州蕭山(5位→7位)
- 春節期間中、ビジネス・観光客の動きが分散し、ランキングが下がったと考えられます。
- 北京大興=広州白雲(10位→圏外)
- 北京首都空港の利便性が評価され、多くの旅客がそちらを選択した可能性があります。春節の影響で、北京大興発の便の需要が相対的に減少しました。
運航規模が大きく変動した路線
北京首都=上海虹橋は依然として最も忙しい路線
座席数は54.27万席に達し、昨年比26%増加しました。京津冀(北京・天津・河北)と長江デルタ(上海・江蘇・浙江)という2大経済圏を結ぶ重要な路線であり、春節期間中はさらに需要が高まりました。
成都=深圳路線の座席数が32%増加
成都・重慶エリアと珠江デルタエリアの経済連携と人の往来が活発化していることを反映しています。特に、春節後に多くの四川・重慶出身者が深圳へ戻る流れが影響したと考えられます。
広州=杭州路線は座席数が9%減少
春節期間中、旅客の移動が帰省や観光需要の高い他の路線にシフトしたことが影響したとみられます。
広州=北京大興路線の座席数が8%減少し、ランキング圏外に
北京首都空港の利便性向上により、北京発の広州行き便の利用者が首都空港に流れた可能性が高いです。春節の影響で、航空会社の運航スケジュールも最適化され、大興空港の便数が減少したことが要因かもしれません。
まとめ
2025年2月の中国国内航空市場は、春節の影響を受け、例年とは異なる動きを見せました。
- ビジネス需要と帰省ラッシュの影響で、北京・上海・広州・深圳を結ぶ主要路線の需要が増加
- 成渝(成都・重慶)と珠江デルタ(深圳・広州)の結びつきが強まり、成都=深圳路線が急成長
- 一部の路線では、旅客の移動傾向や航空会社の運航計画の影響で、順位が変動
今後、春節後の旅行需要が落ち着くことで、ランキングがどのように変化するのかも注目されます。
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